たんたんたんとした日々のこと

障害のある子供たちと過ごす日々のことを綴っています。

暴れん坊少年。

ダウン症の子供と聞くと、穏やかでおっとりした感じを想像するのではないでしょうか?

少なくとも僕はそう思っていました。彼に会うまでは…。

小柄な小学生の彼は運動神経が抜群に良いです。いつも元気に走り回り、ボールを蹴ったり投げたり、常に動いていたいようです。

そしてとにかく負けん気が強い!ゆえに喧嘩早い!(笑)

ある時、他の子供とカルタ取りをしたことがありました。

自分が負けそうになると相手の子供につかみかかります。机の上のカルタをぐちゃぐちゃにします。

はい、終了ですよ。ルールは守りましょうね。

そして実際に負けた時には、顔を真っ赤にして口から泡を拭いて、呼吸困難になるほど泣いていました。

カルタでそこまで悔しがるとは…。子供の真剣さを侮っていましたよ。

ひとしきり泣いて落ち着きを取り戻すと、カルタをまたセッティングし始めました。こちらに読み札を渡して読むように促します。

この時は僕と彼のふたりです。

そうです。これはカルタの「自主練習」です。彼は実は努力の人でもあるのです。

すべての札を読み終えました。すべてのカルタを彼が取り終えました。

彼は勝利の雄叫びをあげ、天に向かってガッツポーズです。さながら決勝点を決めたサッカー選手のようです。

いや、勝ってないから…、などという無粋な突っ込みはしませんよ。