たんたんたんとした日々のこと

障害のある子供たちと過ごす日々のことを綴っています。

まちがいさがし。

① 靴をげた箱から出す。

② 靴を履く。

③ 靴を脱ぐ。

④ 靴をげた箱にしまう。

⑤ ①に戻る。

 

今日の彼はこの一連の動作をさっきからずっと続けています。

 

彼は自閉症で物事に対し、自分なりのこだわりがあります。ひとたびそのモードに入ると、こちらの呼びかけは聞こえなくなるほどの集中力を持っています。今日は靴の出し入れが彼のお気に入りなのでしょう。

 

傍らでその様子をずっと見ていて、僕自身のやっていることも似たようなものだな、とふと思ったのです。

 

一日の行動っておおよそ決まってませんか?

 

決まった時間に起きて、決まった時間に会社や学校に行って、といった具合にスパンが「一日」か、それとも彼のように靴の出し入れの「数十秒」かの違いだけ。

 

その差は大きいでしょ、って思うかも知れないけど、それは自分の視点で見ているだけで、例えば宇宙人とかが見たら人間ってのは同じことばっかりやってるな、って思うんじゃないかな。

 

障害のある人を見る時に、つい「違い」を見てしまうのだけど、実は同じところの方がはるかに多かったりするんじゃないかな。

 

別にこれは障害に限ったことじゃなく、人種や宗教や国家でも「違い」の方に意識がいって、はるかに多い同じところが見えなくなってないかな。

 

そのことで「壁」をつくっているとしたら、なんかもったいないな、って思ったのです。