たんたんたんとした日々のこと

障害のある子供たちと過ごす日々のことを綴っています。

長いあいさつ。

おなじことを会うたびに話す女の子がいます。

女の子 「クルマまえのる」
 僕  「前に乗りたいの?」

女の子 「ベルトかんでたべる」
 僕  「シートベルトは噛んで食べないでね」

女の子 「ガラスばしばしたたく」
 僕  「ガラスは叩かないでね」

女の子 「ゆかでごろねする」
 僕  「床では寝ない方がいいかな」

女の子 「くつなげる」
 僕  「出来れば靴は投げないで欲しいな」

女の子 「こなこなする」
 僕  「コ、コナコナ? コナコナもしない方がいいかな。…たぶん」

だいたい毎回、こんな感じです。

他にもパターンはありますが、これを一日の中で何度もやりとりします。

楽しそうでしょ(笑) 

ところで、これは彼女の中では「あいさつ」みたいなものなのかなって思うのです。

言葉のひとつひとつに意味があるというより、相手と言葉を通してその場を「共有」している感じ。

…大袈裟かな? 

でも「お早う」とか「こんにちは」って挨拶するとき、言葉の意味を伝えたいわけじゃないでしょう?

その瞬間のお互いの存在を認めるための行為なのかなって思うのです。

お互いに、ここにいて良いんだよって。

それを彼女は一言ではなく、長い言葉のやりとりを通して行っているのかなって。

これってとても「贅沢な時間」だと思うのです。

…それにしても「コナコナ」って何だろう?